No.358の記事

お仕えします の紹介(1カ月遅い気が)

あらすじをそのまま書くのはなんなので、ちょっと紹介文的に。

【お仕えします! 〜ドキドキ☆忍法帖】 フランス書院 美少女文庫刊

 ごく平凡な高校生・音野刀也(通称、トノ)には、ごく平凡ではない秘密があった。
 生意気なこと(?)に、刀也には中学生の時から許嫁がいたのだ。
 それは学園で1〜2を争う美少女、姫宮あかり(通称、姫)。刀也が好きだった幼なじみで、姫宮グループ総裁の娘。特別仲が良かった彼女が許嫁になったことが嬉しかった刀也だったが、許嫁だと決められた途端、あかりは豹変した。
 それまでとは正反対に冷たく刀也に当たるようになり、彼を下男のように扱い始めるあかり。自分と彼女の気持ちの差にショックを受けながらも、刀也は未練がましく荷物持ちとして一緒に登校する日々を過ごしていた。それでもいいと思っていた。
 そんないつもの朝を控えた深夜に、『彼女』は突然現れた。
 こっそりとオナニーしていた刀也の目の前に、しかもフィニッシュ寸前に落ちてきたくノ一、忍。精液まみれになったドジな彼女は、刀也に尽くすために生きてきたくノ一だった……。
 
 へまをしては切腹するためにお腹を見せる忍。主人公に冷たく当たりながらも距離を取らないあかり。最強の母親あやと懲りない父親。そして主人公の前に現れた謎の女教師。
 ……騒々しい刀也の夏が始まろうとしていた。
 
 おそらく美少女文庫でも珍しい、ノリとコミカルさを基調にした作品?

 ここから後は、既読の方用。ネタバレぽいのがあります。

 この作品は、まず基本となる素プロットとキャラクターを作った後、頭の中でキャラクターを素プロットに沿って自由に動かし、プロットや物語の詰めとキャラクター間のやり取りを膨らませています。
 それで一番大きく変わったのは、姫宮あかりでした。
 当初は当て馬レベル扱いの予定だったあかりでしたが、頭の中で物語を進めている間に、どんどんと自己主張してダブルヒロイン級の地位を自力で確保したのです。彼女は、どんなに不利でも刀也を諦めようとはしませんでした。女教師桔梗の一件での3Pも、あかりが一歩も引かなかったから発生したことです。自分が作り出したはずのキャラクターに物語を押し切られたのは初めてでした。
(と言っても、暴走されたわけではなく、設定していた『ずっと抱いていた思い』を踏まえたあかりが、自分らしく振る舞っただけですが)
 
 ただ、問題も起きました。そう、文章量との兼ね合いです。
 結局文章量と内容に対する担当さんの指摘があり、最後のクライマックスシーンのはずだった忍びの里(の地下迷宮)での話しはカット。それでも駆け足になってしまい、桔梗や忍びの里での出来事はバタバタ感を最後まで消せませんでした。これだったら、女教師を出さずに、最初のほうに出た緒戸山敬子を敵くノ一にしたほうが綺麗に終わったかなぁ……。